紙の厚みは、同じ連量でも紙の種類で変わります。たとえば四六判90kgで、コート紙は約0.081mm、マットコート紙は約0.1mm、上質紙は約0.12mmです。製本の背幅や納品の束の高さは、連量ではなく「厚み」で決まるので、見積りの前に確かめておく必要があります。
印刷の現場では、「90kgだから同じ厚さ」と考えて、背幅が合わない、棚に入らない、という食い違いが起きがちです。連量は重さの目安であって、厚みの指標ではありません。下のツールで、紙の種類と連量、枚数を選ぶと、1枚の厚みと束の厚みが分かります。
- 厚みは紙1枚の厚さのことで、単位はmmまたはμm(1mm=1,000μm)です。
- 同じ連量でも、コート紙は薄く、上質紙やマットコート紙は厚めになります。
- 製本の背幅は「1枚の厚み×ページ数÷2」が目安です。紙厚は製造ロットで多少ばらつきます。
チラシの在庫や納品の束がどのくらいの高さになるか、の計算に。
| 枚数 | 束の厚み |
|---|---|
| 1枚 | — |
| 10枚 | — |
| 100枚 | — |
| 500枚 | — |
| 1,000枚 | — |
| 入力した枚数 | — |
※紙厚はメーカー・紙商・印刷会社の公表値を照合した参考値です(銘柄や測定条件で±10%ほど変わります。とくにマットコートは銘柄による差が大きめです。保証値ではありません)。
※色上質の連量は「薄口・厚口」などの呼び方で選んでください。重さや体積を知りたいときは「印刷物の重さ・体積計算ツール」へ。
連量と厚みは別もの
紙のカタログに書いてあるのは「連量」=紙1,000枚分の重さ(kg)で、厚みそのものではありません。同じ90kgでも紙の種類によって厚みは違います。たとえばコート90kgは0.081mmですが、マットコート90kgは0.106mm、上質90kgは0.120mm。重さが同じでも、詰まった紙は薄く、ふんわりした紙(かさ高)は厚くなるからです。だから束の高さは「連量」からは直接わからず、紙種ごとの紙厚データが必要になります。
紙厚の数字は参考値です
紙の厚みは、メーカー自身が「保証値ではなく参考値」としている数字です。銘柄や測り方で±10%ほど変わります。このツールの値は、製紙メーカーの公表値・紙商の規格表・印刷会社の公開データを複数照合して、主流の帯に収まる値を採用しました。
同じ90kgでも、マットコートはコートより3割ほど厚くなります。マット系はかさ高(同じ重さでふっくら仕上がる)だからです。ページ数の多い冊子で「思ったより背が太い」となるのは、この差が理由のことがあります。
紙の種類別・厚みの一覧
上のツールで使っている数値を、種類ごとに並べて見比べられるようにしました。同じ紙でも連量が違うとどれくらい厚みが変わるか、一覧で見たいときに。
よく使う用紙と厚み
記号や数字が多くて分かりにくいので、まず「何に使うとき、どれくらいの厚さか」を先に。100枚積んだときの見当も添えました(下の一覧表と同じ数値です)。
| 用途 | 紙の目安 | 厚さ | 100枚の厚み |
|---|---|---|---|
| チラシ(薄め) | コート73kg | 0.066mm | 約6.6mm |
| チラシ(普通〜厚め) | コート90kg | 0.081mm | 約8.1mm |
| チラシ (マンション・不動産系の厚手) | コート110〜135kg | 0.103〜0.130mm | 約10.3〜13.0mm |
| ポスター | アートポスト160〜220kg | 0.16〜0.24mm | 約16〜24mm |
| 名刺(薄め) | ケント160kg | 0.23mm | 約23mm |
| 名刺(普通) | ケント180〜225kg | 0.25〜0.29mm | 約25〜29mm |
| 名刺(厚め) | ケント265kg | 0.34mm | 約34mm |
| はがき | ケント160〜180kg | 0.23〜0.25mm | 約23〜25mm |
※はがきは日本郵便が重さとサイズを規定するのみで、厚さの基準はありません。ここは実務でよく使われる目安です。スーパーのチラシによく使われる微塗工紙(びとこうし)は、厚さ・坪量まで確認できる公表資料が見つからなかったため、今回は掲載を見送りました。
標準紙(コート・マットコート・上質・アートポスト)
| 紙種 | 連量 | 坪量 | 厚さ |
|---|---|---|---|
| コート | 68kg | 79.1g/㎡ | 0.062mm |
| コート | 73kg | 84.9g/㎡ | 0.066mm |
| コート | 90kg | 104.7g/㎡ | 0.081mm |
| コート | 110kg | 127.9g/㎡ | 0.103mm |
| コート | 135kg | 157.0g/㎡ | 0.130mm |
| コート | 160kg | 186.1g/㎡ | 0.155mm |
| コート | 180kg | 209.4g/㎡ | 0.179mm |
| マットコート | 70kg | 81.4g/㎡ | 0.078mm |
| マットコート | 90kg | 104.7g/㎡ | 0.106mm |
| マットコート | 110kg | 127.9g/㎡ | 0.136mm |
| マットコート | 135kg | 157.0g/㎡ | 0.175mm |
| 紙種 | 連量 | 坪量 | 厚さ |
|---|---|---|---|
| 上質 | 45kg | 52.3g/㎡ | 0.065mm |
| 上質 | 55kg | 64.0g/㎡ | 0.078mm |
| 上質 | 70kg | 81.4g/㎡ | 0.095mm |
| 上質 | 90kg | 104.7g/㎡ | 0.120mm |
| 上質 | 110kg | 127.9g/㎡ | 0.148mm |
| 上質 | 135kg | 157.0g/㎡ | 0.180mm |
| 上質 | 180kg | 209.3g/㎡ | 0.236mm |
| アートポスト | 160kg | 186.1g/㎡ | 0.16mm※ |
| アートポスト | 180kg | 209.4g/㎡ | 0.20mm※ |
| アートポスト | 200kg | 232.8g/㎡ | — |
| アートポスト | 220kg | 256.0g/㎡ | 0.24mm※ |
| アートポスト | 240kg | 279.0g/㎡ | — |
※アートポストは北越コーポレーションの坪量・連量の公表値。厚さは同等品「OK特アートポスト+」(王子マテリア)の公表値を参考掲載(200kg・240kg相当は非公開)。マットコートは135kgが業界的に公開されている上限で、それ以上の厚手は輸入紙など特殊扱いのため掲載していません。
ファンシーペーパー(表紙・名刺など)
竹尾の代表的な3銘柄です。連量は四六判Y目。
| 銘柄 | 連量 | 坪量 | 厚さ |
|---|---|---|---|
| アラベール-FS | 70kg | 81.4g/㎡ | 0.12mm |
| アラベール-FS | 90kg | 104.7g/㎡ | 0.15mm |
| アラベール-FS | 110kg | 127.9g/㎡ | 0.18mm |
| アラベール-FS | 130kg | 151.2g/㎡ | 0.21mm |
| アラベール-FS | 160kg | 186.1g/㎡ | 0.26mm |
| アラベール-FS | 200kg | 232.6g/㎡ | 0.33mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 105kg | 122.1g/㎡ | 0.17mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 130kg | 151.2g/㎡ | 0.21mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 150kg | 174.5g/㎡ | 0.24mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 175kg | 203.6g/㎡ | 0.28mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 195kg | 226.8g/㎡ | 0.31mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 215kg | 250.1g/㎡ | 0.34mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 235kg | 273.3g/㎡ | 0.37mm |
| ヴァンヌーボV-FS | 275kg | 319.8g/㎡ | 0.44mm |
| タント | 70kg | 81.4g/㎡ | 0.13mm |
| タント | 100kg | 116.3g/㎡ | 0.17mm |
| タント | 130kg | 151.2g/㎡ | 0.21mm |
| タント | 180kg | 209.4g/㎡ | 0.30mm |
名刺用紙(ケント紙)
| 連量 | 厚さ | 主な用途 |
|---|---|---|
| 90kg | 0.12mm | フライヤー・チラシ・履歴書 |
| 110kg | 0.15mm | 厚めの冊子本文・ディスクジャケット |
| 135kg | 0.19mm | カレンダー・チケット |
| 160kg | 0.23mm | 薄めの賞状・名刺 |
| 180kg | 0.25mm | 賞状・厚めの名刺・ショップカード |
| 225kg | 0.29mm | 紙飛行機・ペーパークラフト |
| 265kg | 0.34mm | 画紙・教材用カード |
| 310kg | 0.40mm | 絵札 |
| 360kg | 0.43mm | カルタの札 |
はがきに使う紙は、日本郵便が重さとサイズだけを規定していて、厚さの基準はありません(私製はがきの最大サイズ15.4×10.7cm、通常はがき料金なら6g以下)。実務ではケント紙160〜220kg程度がよく使われます(上表参照)。
紙の厚さの単位|斤量・連量・坪量・mm・μmの読み方
紙の厚さに関する表記は、印刷の現場でも混在しています。見積書や用紙の規格表で出会う単位を、先に整理しておきます。
| 表記 | 意味 | 厚さとの関係 |
|---|---|---|
| 連量(斤量) | 決まった判型の紙1,000枚の重さ(kg) | 重さの表示。厚さは紙の種類ごとに別途確認 |
| 坪量 | 紙1㎡あたりの重さ(g/㎡) | 判型に関係なく比べられる重さの指標 |
| 紙厚(mm) | 紙1枚の厚さ | 厚さそのもの |
| 紙厚(μm・ミクロン) | 1μm=0.001mm | 0.081mm=81μm |
斤量と連量は、現場ではほぼ同じ意味で使います。「コート90kg」「上質110kg」のkgがこれにあたります。洋紙は1連=1,000枚、板紙は1連=100枚が基準です。判型は、印刷用紙なら四六判(788×1091mm)が基準になることが多く、A列本判(625×880mm)、菊判(636×939mm)、B列本判(765×1085mm)で表す紙もあります。判型が違えば、同じ紙でも連量の数字は変わります。
なぜ紙の厚さをkgで表すのか
紙は、取引のときに枚数ではなく重さで扱う習慣が長く続いてきました。「決まった判型の紙1,000枚で何kg」が連量の呼び方です。同じ種類の紙なら連量が大きいほど厚くなるので、現場では厚さの目安にも使いますが、種類をまたぐと比べられません。
kgをmmに変換する方法はあるのか
kgとmmを直接変換する公式はありません。紙の密度(かさ高)が紙ごとに違うからです。目安として、坪量(g/㎡)=連量(kg)÷0.86(四六判の面積約0.860㎡)で重さの側を出せます。たとえば90kgは約104.7g/㎡です。厚さのほうは、この坪量を紙の密度で割って求めますが、密度は銘柄ごとに違うので、実際には規格表の紙厚を読むのが確実です。
このページの一覧表の値から逆算すると、同じ104.7g/㎡でも、コートは0.081mm、マットコートは0.106mm、上質は0.120mmです。紙の中身が詰まっているほど薄くなる、ということが数字でも確認できます。束の重さは印刷物の重さ・体積計算ツールで出せます。
印刷物別|用途から選ぶ紙の厚さ
印刷物ごとに、よく選ばれる厚さの帯があります。上のツールと一覧表で厚みを確認しながら、次の目安を参考にしてください。
- コピー用紙(坪量64g/㎡前後):0.09〜0.1mm前後が目安。印刷用のコート90kg(0.081mm)より少し厚めです。
- 折込チラシ・ポスティング:コート73〜90kg。
- 店頭に置くフライヤー:コート90〜110kg。
- パンフレット・リーフレットの本文:コート90〜110kg、またはマットコート90〜110kg。
- 冊子の表紙:コート135kg前後。本文より一段厚くするのが定番です。
- ポスター:アートポスト160〜220kg。
- 名刺・ショップカード:ケント180〜225kg前後や、ファンシーペーパーの厚手。
厚い紙を選ぶと、見た目の質感は上がります。一方で、紙代が上がること、折りの加工で割れやすくなること、重くなって送料が増えることには注意してください。迷ったときは、使う場面(配るのか、手渡しなのか、保管するのか)から逆算して決めると失敗が減ります。
家庭用プリンターで厚紙は印刷できるのか
家庭用プリンターは、機種ごとに対応する坪量(g/㎡)の上限があります。厚紙は取扱説明書の対応用紙で確認してください。四六判の連量(kg)なら、÷0.86で坪量に直せます。枚数が多いときや、厚い紙に両面カラーで仕上げたいときは、印刷会社の機械のほうが紙詰まりや色ムラの心配が少なくなります。
紙の厚さを実物で確かめる方法と注意点
厚さを実物で確かめたいときは、次の方法があります。
- 紙厚計(マイクロメーター)で1枚を測る。いちばん正確ですが、測る位置で値が少し動きます。
- 100枚を重ねて定規で測り、100で割る。1枚の厚さを手軽に出せます。圧をかけず、ふんわり積んだ状態で測るのがコツです。
- 用紙の見本帳や、印刷会社の用紙サンプルを手に取って見比べる。
数字を使うときの注意
紙の厚さは、製造ロットや湿度、測り方で多少変わります。このページの値も参考値です。製本の背幅や、ぎりぎりに収める箱詰めでは、数字を鵜呑みにせず、実際に使う紙で確認してください。余裕のない箱詰めや製本では、余白を見込んでおくと安心です。
連量別に紙の厚さを比較する|数値の見方を解説
連量の数字が大きくなるほど、紙は厚く、重くなります。
| 連量 | コート紙の厚さ | 上質紙の厚さ | 上質紙500枚の厚み |
|---|---|---|---|
| 90kg | 0.081mm | 0.120mm | 約60mm |
| 110kg | 0.103mm | 0.148mm | 約74mm |
| 135kg | 0.130mm | 0.180mm | 約90mm |
同じ90kgでも、500枚積んだときの高さはコート紙で約40.5mm、上質紙で約60mmと、2cm近い差が出ます。納品の箱や棚の高さを決めるときは、連量ではなく紙種ごとの厚さで計算してください。
紙と印刷加工をもっと知る本
よくある質問
- コート90kgを1,000枚積むと、何cmになりますか。
-
コート90kgの紙厚は1枚約0.081mmなので、1,000枚で約81mm(8.1cm)です。
- 同じ90kgなのに、紙の厚みが違うのはなぜですか。
-
連量は重さで、厚みではないからです。同じ90kgでも、コート紙は約0.081mm、マットコートは約0.106mm、上質紙は約0.120mmです。詰まった紙は薄く、ふんわりしたかさ高の紙は厚くなります。
- 連量から、紙の厚みはわかりますか。
-
連量だけでは決まりません。紙の種類ごとの紙厚のデータが必要です。連量そのものの意味は連量・坪量換算で説明しています。
- 紙厚の数字は、どのくらい正確ですか。
-
メーカー自身が保証値ではなく参考値としている数字で、銘柄や測り方で±10%ほど変わります。このツールは、メーカー・紙商・印刷会社の公表値を照合した、主流の値を使っています。
- 冊子の厚み(背幅)も計算できますか。
-
このツールは、1種類の紙を積み上げた束の厚みを出します。無線綴じの冊子の背幅は、表紙や扉も含めて背幅計算で計算できます。
関連ページ
- 印刷物の重さ・体積計算ツール ── 刷り上がりが何キロか
- 連量・坪量換算 ── 連量と坪量の読み替え
- 背幅計算 ── 冊子の背幅
参考文献
日本製紙「npi上質」「オーロラコート」「ユーライト」銘柄規格(公表紙厚)/各紙商の用紙規格表を照合。色上質・アートポストは複数の紙販売・印刷会社の公開値の主流帯を採用。ファンシーペーパーは竹尾公式サイトの銘柄規格。ケント紙は北雪製紙の銘柄規格。はがきの規定は日本郵便公式情報。
