取り都合(とりづごう)とは、1枚の原紙(全判)から仕上がりの紙を何枚取るか、どう断つか、ということです。たとえばA4なら、A判の全判(625×880mm)から8枚。見積りで数える紙の枚数も、仕上がりサイズを決めるときの紙の余り方も、ここから決まります。
このページは、断裁の現場で使われてきた判型別の断ち方の寸法を一覧にしたものです。判型と割り方(たとえば縦2×横2で4切)を選ぶと現場の寸法が引け、仕上がりサイズから逆引きすることもできます。A4で刷って手元に置けるPDFも用意しました。
取り都合は、印刷会社によって違います。ここに載せたのは、断裁の現場で使われてきた一般的な目安です。実際の取り数や断ち方は、注文先の印刷会社に確認してください。
i見かたの注意
取り都合は印刷会社によって違うため、載せているのは一般的な目安です。寸法は仕上がり(断裁後)のmmで、現場で使われてきた実務値です。均等割りの計算値と数mm違うことがあります。取り数は塗り足し・トンボ・咥え代を見込まない目安で、面付け(1枚の紙の上に何面を並べて刷るか)とは別の数え方です。5切・11切のような均等割りでない断ち方は、下の一覧表にだけ載っています。
取り都合とは
紙は、A判・B判・四六判・菊判といった決まった大きさの大きな原紙(全判)で仕入れ、そこから仕上がりのサイズに断って使います。全判1枚からN枚取れる断ち方を「N切」(N面付け)と呼びます。
割り方で考えると簡単です。原紙の縦を何分割、横を何分割したかを掛けたものが切数で、縦2×横2なら4切、縦4×横2なら8切になります。5切のように、均等な割り方にならない断ち方もあります。
表の寸法は、均等に割った値より小さくなっています。原紙の上下左右にある程度の余裕を見て断つためです。たとえば四六判(788×1091mm)の2切は、均等に割ると545.5×788ですが、表では544×786です。この余裕を引いた、実際に使える寸法を載せています。
取り数が多く、使えない余りが少ないほど、紙の無駄は減ります。規格どおりの判型なら無駄なく取れることが多い一方、規格外の仕上がりサイズは余りが出やすくなります。用語の意味は、用語辞典の取り都合にも載せています。
早見表の使い方
- 割り方がわかっているとき:いちばん上の「割り方から引く」で、判型と縦×横の分割数を選ぶと、現場の寸法が出ます。
- 仕上がりサイズが決まっているとき:「仕上がりサイズから引く」の表で、使う原紙と、1枚あたりの取り数を見ます。
- 断ち方の寸法を知りたいとき:「判型別の紙断寸法」の表で、判型と切数から寸法を引きます。
- 見積りの紙の枚数を数えるとき:理論値でなく、表の実務値で数えます(理由は「取り都合の掟」に)。
判型別の紙断寸法
切断N=原紙1枚からN枚取れる断ち方(N切・N面付け)。寸法はすべて仕上がりmm、「長◯」は長手取り。 均等割りの理論値ではなく、断裁の現場で実際に使われてきた寸法です。原紙は上下左右にある程度の余裕を見て断つため、均等に割った値より小さくなります。化粧断ちを見込むため、計算値と数mm違う行があります。
A判625×880 mm
| 切断 | 仕上がり寸法(mm) | 割り方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2 | 440×625 | 2×1 | |
| 4 | 440×311 | 2×2 | |
| 6 | 291×310 | 3×2 | |
| 6 | 440×207 | 2×3 | 長手取り |
| 8 | 220×311 | 4×2 |
菊判636×939 mm
| 切断 | 仕上がり寸法(mm) | 割り方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2 | 468.5×636 | 2×1 | |
| 長3 | 636×312 | 3×1 | |
| 4 | 469×317.5 | 2×2 | |
| 6 | 317×312 | 3×2 | |
| 8 | 317.5×234.5 | 4×2 |
B判765×1085 mm
| 切断 | 仕上がり寸法(mm) | 割り方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2 | 765×543 | 2×1 | |
| 4 | 542×381 | 2×2 | |
| 5 | 435×322 | ─ | A4 と同じサイズ感 |
| 8 | 271×381 | 4×2 |
四六判の半裁(46半)約545×788 mm
| 切断 | 仕上がり寸法(mm) | 割り方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 4 | 272×393 | 2×2 | |
| 6 | 272×262 | 3×2 | |
| 8 | 272.5×196.5 | 4×2 |
四六判788×1091 mm
| 切断 | 仕上がり寸法(mm) | 割り方 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2 | 544×786 | 2×1 | |
| 3 | 362×786 | 3×1 | |
| 4 | 545×394 | 2×2 | |
| 5 | 545×320 | ─ | |
| 5 | 440×328 | ─ | |
| 6 | 364×393 | 3×2 | |
| 6 | 545×261 | 2×3 | |
| 8 | 272×393 | 4×2 | |
| 長8 | 197×545.5 | 2×4 | |
| 9 | 363.8×261 | 3×3 | |
| 10 | 217×393 | 5×2 | |
| 11 | 327×218 | ─ | |
| 12 | 364×196 | 3×4 | |
| 12 | 272×262 | 4×3 | |
| 長12 | 181×392.5 | 6×2 | |
| 15 | 363×157 | 3×5 | |
| 16 | 197×273 | 4×4 | |
| 18 | 182×261 | 6×3 | |
| 長18 | 364×131 | 3×6 | |
| 20 | 218×196.5 | 5×4 | |
| 20 | 272×157 | 4×5 | |
| 24 | 181×197 | 6×4 | |
| 25 | 157×217 | 5×5 | |
| 30 | 181×157 | 6×5 |
長◯=長手取り(原紙の長辺方向に長く取る断ち方)。割り方は「縦×横」で、原紙の長辺側(縦)を何分割し、短辺側(横)を何分割するか(例:6切の2×3は縦に2、横に3)。─は均等な格子割りではない取り方。同じ切断数で複数行あるものは、断ち方違いの併記。B判5切は435×322mmで、A3(297×420)より少し大きい。
仕上がりサイズから引く(逆引き)
作りたい仕上がりサイズが決まっているとき、どの原紙を使い、1枚から何丁取れるかの目安。ここから表面の紙断寸法で断ち方を確かめます。
| 仕上がり | 寸法(mm) | 推奨原紙 | 原紙寸法(mm) | 1枚あたりの取り数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| A1 | 594×841 | A判全 | 625×880 | 1 | 広告ポスター |
| A2 | 420×594 | A判全 | 625×880 | 2 | ポスター・図面 |
| A3 | 297×420 | A判全 | 625×880 | 4 | カタログ表紙 |
| A4 | 210×297 | A判全 | 625×880 | 8 | 文書・チラシの定番 |
| A4 | 210×297 | 菊判全 | 636×939 | 9 | 菊判A4取り |
| A5 | 148×210 | A判全 | 625×880 | 16 | 文庫・手帳 |
| A6 | 105×148 | A判全 | 625×880 | 32 | 文庫・カード |
| B1 | 728×1030 | B判全 | 765×1085 | 1 | 大判ポスター |
| B2 | 515×728 | B判全 | 765×1085 | 2 | 大判チラシ |
| B3 | 364×515 | B判全 | 765×1085 | 4 | ポスター |
| B4 | 257×364 | B判全 | 765×1085 | 8 | カタログ表紙 |
| B5 | 182×257 | B判全 | 765×1085 | 16 | 雑誌・書籍 |
| B6 | 128×182 | B判全 | 765×1085 | 32 | 文庫・新書 |
| 四六判の半裁(46半) | 272×393 | 四六判全 | 788×1091 | 8 | 書籍本文の標準 |
| 四六判16切 | 197×273 | 四六判全 | 788×1091 | 16 | 表面の16切と同じ |
| はがき | 100×148 | A判全 | 625×880 | 約32 | 官製はがき |
| 名刺 | 55×91 | A判全 | 625×880 | 約100 | 名刺の標準サイズ |
取り数は塗り足し(断ち落とし)を見込まない目安。フチなし印刷はドブ3mm前後を足して面付けするため、取り数が減ることがあります。
取り都合の掟
取り数の求め方|計算例
取り数は、原紙の縦横を仕上がりサイズで割り、小数点以下を切り捨てて求めます。縦置きと横置きの両方で数え、多いほうが理論上の取り数です。
例として、はがき(100×148mm)をA判の原紙(625×880mm)から取る場合です。
- 縦置き:625÷100=6枚(6.25の切り捨て)、880÷148=5枚(5.94の切り捨て)→ 6×5=30枚
- 横置き:625÷148=4枚(4.22の切り捨て)、880÷100=8枚 → 4×8=32枚
- 多いほうの32枚が、理論上の取り数
表の取り数は塗り足しを見込まない目安です。フチなしにする場合は、ドブ3mm前後を足した寸法で数え直してください。見積りの紙の枚数は、表の値で数えてください。
PDFでダウンロード(A4・印刷用)
ここに載せた2つの表と「取り都合の掟」を、A4の表裏2ページにまとめたPDFです。刷って手元に置く用に、文字の大きさを決めています。
取り都合早見表(PDF)
A4・表裏2ページ(表面=判型別の紙断寸法/裏面=仕上がりからの逆引きと取り都合の掟)|PDF 約0.7MB
取り都合が印刷コストに与える影響
印刷物の価格のうち、紙代は大きな割合を占めます。紙代は、原紙1枚の値段を取り数で割ったものが土台になり、必要な枚数には、刷り出しや仕上げで出る損紙も加わります。取り数が1つ変わるだけで、同じ部数でも必要な原紙の枚数が変わります。
例として、A4を1,000枚つくる場合を考えます。取り数が8なら原紙は125枚、取り数が9なら112枚(1,000÷9=111.1を切り上げ)です。損紙を見込まない計算で、原紙の単価は判型や銘柄で違うため、金額の単純な比較にはなりません。それでも、取り数が増えるほど、必要な原紙の枚数が減ることは確かです。
| 状況 | コストへの影響の考え方 |
|---|---|
| 取り数が多い | 原紙1枚あたりの紙代が分散され、仕上がり1枚あたりの紙代が下がる |
| 取り数が少ない・余りが大きい | 使えない部分の紙代も負担することになり、見積りが上がりやすい |
| 規格外のサイズ | 原紙の余りが出やすく、取り数が少なくなる場合がある |
| 塗り足しや咥え代が必要 | 理論値より取り数が減り、必要な原紙の枚数が増える |
紙代のほかにも、取り数は作業の量に関わります。断裁の回数が増え、仕分けや梱包の手間も変わるため、紙代だけでなく加工費にも影響する場合があります。部数が少ない印刷物ほど、原紙の1枚単位の差が全体の価格に響きやすくなります。
規格サイズと特注サイズの違い
規格サイズは、原紙を均等に割った大きさに合わせて決められているため、取り数が多く、余りも出にくくなっています。一方、特注サイズの場合は、原紙の縦横どちらかに使えない部分が残りやすく、紙代が上がる原因になります。仕様の希望が特注サイズでも、数ミリ寸法を変えるだけで取り数が増える場合があります。
取り都合で間違いやすい点と注意したいこと
取り都合の相談で多いのは、「計算上は取れるはずなのに、実際は取れなかった」という場合です。理由は、現場の条件が理論値に入っていないためです。次の点には注意してください。
- 塗り足しの見落とし:仕上がりの外に3mm前後が必要で、これを含めると取り数が1つ減ることがあります。
- 咥え代と余白:印刷機が紙をくわえる部分には印刷できないため、使える範囲が原紙より小さくなります。
- 紙目の向き:取り数を優先して目の向きを逆にすると、折りや製本で不具合の原因になります。
- 原紙の在庫:希望の用紙が、そのサイズの原紙で手に入るとは限りません。銘柄によって、仕入れられる判型が違います。
- 面付けとの混同:取り数は原紙の断ち方、面付けは1枚の紙に何面を並べるかで、別の数え方です。
実際の取り数や断ち方は、印刷会社の機械、仕入れている紙、断裁の方法で変わります。このページの数字は、あくまで一般的な目安として使ってください。
見積りの前に確認しておきたい情報
取り都合を踏まえた見積りを出してもらうには、依頼の時点で必要な情報が揃っていると話が早く進みます。次の内容を伝えると、印刷会社は取り数を判断しやすくなります。
- 仕上がりサイズ(縦×横のmm)と、規格サイズか特注サイズか
- 部数と、増減が可能かどうか
- 用紙の種類と厚み(連量のkg、または坪量のg/㎡)
- 塗り足しの有無(紙の端まで色や写真があるか)
- 折り・綴じ・断裁など、仕上げの条件
- 納期と、サイズや用紙を変更できる余地
仕上がりサイズに融通がきく場合は、その旨を伝えてください。数ミリの調整で取り数が増え、紙代が下がる提案ができることがあります。逆に、サイズが厳密に決まっている場合も、早めに伝えておけば、無理のない断ち方を選べます。わからない点は、遠慮せず印刷会社に問い合わせるのが確実です。
紙と印刷加工をもっと知る本
よくある質問
- 取り都合とは何ですか。
1枚の原紙(全判)から、仕上がりの紙を何枚取るか、どう断つかということです。「A4はA判の全判から8枚」のように数え、取り数が多くて余りが少ないことを「取り都合がよい」と言います。
- 取り都合は、印刷会社によって違いますか。
違うことがあります。印刷会社ごとに、使う機械や仕入れている紙の判型、断ち方の考え方が違うため、同じ仕上がりサイズでも取り数や寸法が変わることがあります。ここに載せたのは、断裁の現場で使われてきた一般的な目安です。見積りや入稿の前提にするときは、注文先の印刷会社に確認してください。
- A4は全判から何枚取れますか。
A判全(625×880mm)から8枚です。菊判全(636×939mm)なら9枚取れます(菊判A4取り)。取り数は塗り足しを見込まない目安です。
- B5は全判から何枚取れますか。
B判全(765×1085mm)から16枚です。B4は8枚、B3は4枚、B2は2枚が取れます。
- 「4切」「8切」の「切」とは何ですか。
全判1枚から何枚取れる断ち方かを表す数です。4切なら4枚、8切なら8枚。四六判の8切は272×393mm、菊判の8切は317.5×234.5mmです。「長3」「長8」の「長」は、原紙の長辺方向に長く取る断ち方(長手取り)のことです。
- 表の寸法が、均等に割った計算値と数mm違うのはなぜですか。
均等割りの理論値ではなく、原紙の上下左右にある程度の余裕を見て断つことや、化粧断ち・刃の通り道・紙のクセを見込んだ現場の数字だからです。見積りは理論値でなく実務値で数えると、狂いが少なくなります。
- 塗り足しがあると、取り数は変わりますか。
変わることがあります。表の取り数は塗り足し(断ち落とし)を見込まない目安です。紙の端まで色や写真がある印刷物は、仕上がりの外に各辺3mm前後の塗り足しが要るため、この分と断裁の刃の通り道で、理論値より取り数が減ることがあります。
- 取り数と、面付け数は同じですか。
別の数え方です。取り数は、原紙1枚から仕上がりの紙を何枚断つか。面付けは、印刷する1枚の紙の上に何面を並べて刷るかです。この表は前者(原紙の断裁)の表です。
- 紙の目は、取り数と関係がありますか。
あります。紙には目(縦目T・横目Y)があり、折りや製本は背に対して目が平行なのが原則です。取り数を優先して目が逆になると、背割れ・波打ち・めくりにくさの原因になります。
関連ページ
- 連量・坪量 換算ツール ── 紙の「kg」がわからないとき(連量の早見表PDFもあります)
- 紙の厚み計算 ── 紙◯枚が何ミリの束になるか
- 面付け(用語辞典) ── 1枚の紙に何面を並べるか
- 紙目(用語辞典) ── 縦目・横目の見分け方と、折り・製本との関係
原本と注記
原本は、印刷の現場で長く使われてきた手書きの「紙断寸法表」を電子化したものです。実務値のため、印刷会社・塗り足しの要否・紙目・銘柄により取り都合は変わります。実際の取り数は、注文先の印刷会社に確認してください。仕上がり対応表は、紙業界の標準的な判型対応にもとづく目安です。
