フタロブルーとは

フタロブルーは、銅フタロシアニンを成分とする青色の合成有機顔料の名にちなむ色名で、フタロシアニンブルーともいいます。
フタロブルーの由来
英語の「phthalo blue」を写した色名で、銅フタロシアニンを成分とする青色の合成有機顔料(フタロシアニンブルー、C.I. ピグメントブルー15)の色をさす。phthalo は phthalocyanine(フタロシアニン)の略として使われる。光・熱・酸・アルカリに安定で、印刷インキや塗料などの青色顔料として使われる。
フタロシアニンの発見の年は、資料で食い違う。1928年に、スコティッシュ・ダイズの研究者がフタルイミドの合成中に青色の副生成物として見つけたとする説明がある。一方、1927年に別の反応で青色の副生成物が得られたのが最初で、その数年後にスコティッシュ・ダイズが観察したとする説明もある。
このページの代表色について
フタロブルーには資料によって色の幅があります。本ページでは複数の色名資料を照らし合わせ、比較や印刷シミュレーションに使用する代表色を設定しています。
フタロブルーは画面と印刷でどう違う?
コート紙想定では、はっきり明るくなる、はっきり鮮やかさが下がる、はっきり青みに寄る。上質紙などの非塗工紙想定では、はっきり明るくなる、はっきり鮮やかさが下がる、はっきり青みに寄る。
ⓘ ΔE00とは
2つの色の違いを表す国際的な色差の数値です。1未満は見分けにくいほど、1〜2はわずか、2〜3.5は少し、3.5〜5ははっきり、5以上は大きな差の目安です。
フタロブルーは紙によってどう変わる?
同じフタロブルーでも、刷る紙によって仕上がりが変わります。紙そのものの白さの違いも含めて、コート紙想定と非塗工紙想定で刷った色を並べました。
コート紙想定から非塗工紙想定にすると、はっきり明るくなる、はっきり鮮やかさが下がる、少し青みに寄る。コート紙用のCMYKのまま非塗工紙に刷ると、はっきり明るくなる、はっきり鮮やかさが下がる、少し青みに寄る。紙に合わせたCMYKにしても、紙の違いによる変化は残ります。
フタロブルーを印刷するときの注意
使う版(インキの色数) 3版C100M94YK1
| 使う版 | 3版(シアン・マゼンタ・墨)コート紙想定のCMYK |
|---|---|
| 総インキ量 | 195%4色の網点%の合計(非塗工紙想定は199%) |
| 転びやすさ色のブレやすさ | 転びにくいΔE00 1.7ⓘ 転びやすさとは印刷の便利帳独自の目安です。各版の網点が±4%変動したときの色差(ΔE00)から求めています。一般的な規格の数値ではありません。計算・シミュレーション条件 |
| 入稿のときの注意 |
フタロブルーの詳しい印刷シミュレーション
版ごとの変化
フタロブルーは、それぞれの版の網点を重ねて刷ることで出す色です。丸の下の数値は、その版の網点が±4%ぶれたときの色の変化(ΔE00)です。
墨への置き換え(GCR)
フタロブルーはイエローを使わない配合のため、C・M・Yが重なってできる灰色の成分がなく、墨に置き換えられる部分がありません(コート紙想定のCMYK C100 M94 K1)。墨に置き換えたときの変化を見るための簡易シミュレーションで、実際のICCプロファイルの墨版の作り方そのものではありません。GCRとは →
網点の拡大図
AMスクリーンは、規則的に並んだ網点の大きさを変え、版ごとに角度をずらして重ねることで濃淡を表現します。
FMスクリーンは、ごく小さな点を不規則に散らし、点の数で濃淡を表現します。
図は拡大したイメージです。AMスクリーニングとは → FMスクリーニングとは →
フタロブルーに近い色
丸の左半分がフタロブルー、右半分がその色です。フタロブルーと比べた違いを、色の差(ΔE00)が小さい順に並べています。
鮮やかさが低い
青みが強いΔE00 5.0
鮮やかさが低い
紫みが強いΔE00 6.0
鮮やかさが高い
紫みが強いΔE00 8.2
鮮やかさがやや低い
青みが強いΔE00 9.0
フタロブルーのカラーコード
HEXとCMYK(コート紙想定)はページ冒頭に載せています。RGB・Lab・LChなど、色校正や測色のやりとりに使う数値はここにまとめています。
RGB・Lab・LChなどの数値を見る
| HEX | #000F89代表色(sRGB) |
|---|---|
| RGB | R 0 G 15 B 137 |
| CMYKコート紙想定 | C100 M94 Y0 K1PSO Coated v3(FOGRA51)で計算 |
| CMYK非塗工紙想定 | C100 M99 Y0 K0上質紙などの非塗工紙を想定。PSO Uncoated v3(FOGRA52)で計算 |
| LabD50 | L 14.7 a 37.1 b -67.2 |
| LChD50 | L 14.7 C 76.8 h 298.9°明るさ・鮮やかさ・色相で表したもの |
| 系統 | 青紫系 |
| 分類 | 欧米(特定の国に限らない)・染料・顔料 |
CMYKは印刷条件ごとに変わる目安の値です。入稿先の印刷会社が指定する条件がある場合は、そちらに合わせてください。
色を確かめる色見本帳と本
画面で見える色と、紙に刷った色は同じではありません。印刷物の色を決めるときは、色見本帳で実物を見て確かめると確実です。
出典・参考資料
- 色名資料コトバンク「フタロシアニン」(小学館「日本大百科全書」、森北出版「化学辞典 第2版」)、ウィキペディア英語版「Copper phthalocyanine」、Paint List「PB15:3 - Phthalocyanine Blue Green Shade」、Art in Context「Phthalo Blue」
- ICC・印刷条件PSO Coated v3(FOGRA51)、PSO Uncoated v3(FOGRA52)(European Color Initiative)
