墨とは

墨は、書や絵に使う墨の色からとった名前で、JISでは黒にあたる色です。
黒の印刷について黒に近い色は、印刷では墨(K)1色で刷る方法と、墨にC・M・Yを重ねて深い黒にする方法(リッチブラック)があります。このページのCMYKは、画面の色をICCプロファイルで変換した参考値です。文字や細い線は墨1色(K100)にするのが一般的です。広い面をリッチブラックにする場合の配合や総インキ量の上限は、入稿先の印刷会社の指定に従ってください。
墨の由来
墨は、松や植物の油を燃やして集めた煤を膠(にかわ)で練り固めたもので、硯で水とすって使う。漢字の「墨」は「黒」と「土」を合わせた字である。日本では、推古天皇の時代に高句麗の僧・曇徴が紙と墨をつくることができたと『日本書紀』にあり、正倉院には唐の時代の墨が残る。実際の墨の色は、種類や濃さによって幅がある。
このページの代表色について
墨には資料によって色の幅があります。本ページでは複数の色名資料を照らし合わせ、比較や印刷シミュレーションに使用する代表色を設定しています。
墨は画面と印刷でどう違う?
コート紙想定では、はっきり明るくなる。上質紙などの非塗工紙想定では、はっきり明るくなる、わずかに黄みに寄る。
ⓘ ΔE00とは
2つの色の違いを表す国際的な色差の数値です。1未満は見分けにくいほど、1〜2はわずか、2〜3.5は少し、3.5〜5ははっきり、5以上は大きな差の目安です。
墨は紙によってどう変わる?
同じ墨でも、刷る紙によって仕上がりが変わります。紙そのものの白さの違いも含めて、コート紙想定と非塗工紙想定で刷った色を並べました。
コート紙想定から非塗工紙想定にすると、はっきり明るくなる。コート紙用のCMYKのまま非塗工紙に刷ると、はっきり明るくなる。紙に合わせたCMYKにしても、紙の違いによる変化は残ります。
墨を印刷するときの注意
使う版(インキの色数) 4版C60M59Y48K74
| 使う版 | 4版(シアン・マゼンタ・イエロー・墨)コート紙想定のCMYK |
|---|---|
| 総インキ量 | 241%4色の網点%の合計(非塗工紙想定は245%) |
| 転びやすさ色のブレやすさ | 転びにくいΔE00 1.8ⓘ 転びやすさとは印刷の便利帳独自の目安です。各版の網点が±4%変動したときの色差(ΔE00)から求めています。一般的な規格の数値ではありません。計算・シミュレーション条件 |
| 入稿のときの注意 |
|
墨1色(K100)との比較
左が墨1色(K100)、右がこのページのCMYKで刷った色です。黒の刷り方は冒頭の注記もご覧ください。
墨の詳しい印刷シミュレーション
版ごとの変化
墨は、それぞれの版の網点を重ねて刷ることで出す色です。丸の下の数値は、その版の網点が±4%ぶれたときの色の変化(ΔE00)です。
墨への置き換え(GCR)
墨に置き換えたときの変化を見るための簡易シミュレーションで、実際のICCプロファイルの墨版の作り方そのものではありません。GCRとは →
網点の拡大図
AMスクリーンは、規則的に並んだ網点の大きさを変え、版ごとに角度をずらして重ねることで濃淡を表現します。
FMスクリーンは、ごく小さな点を不規則に散らし、点の数で濃淡を表現します。
図は拡大したイメージです。AMスクリーニングとは → FMスクリーニングとは →
墨に近い色
丸の左半分が墨、右半分がその色です。墨と比べた違いを、色の差(ΔE00)が小さい順に並べています。
鮮やかさがやや低い
色みは近いΔE00 2.8
鮮やかさがやや低い
赤みが強いΔE00 4.2
鮮やかさが低い
色みは近いΔE00 4.4
鮮やかさが低い
色みは近いΔE00 5.6
墨のカラーコード
HEXとCMYK(コート紙想定)はページ冒頭に載せています。RGB・Lab・LChなど、色校正や測色のやりとりに使う数値はここにまとめています。
RGB・Lab・LChなどの数値を見る
| HEX | #302927代表色(sRGB) |
|---|---|
| RGB | R 48 G 41 B 39 |
| CMYKコート紙想定 | C60 M59 Y48 K74PSO Coated v3(FOGRA51)で計算 |
| CMYK非塗工紙想定 | C66 M61 Y44 K74上質紙などの非塗工紙を想定。PSO Uncoated v3(FOGRA52)で計算 |
| LabD50 | L 17.3 a 3.0 b 2.6 |
| LChD50 | L 17.3 C 4.0 h 40.3°明るさ・鮮やかさ・色相で表したもの |
| 系統 | 無彩色 |
| 分類 | 日本・物品 |
CMYKは印刷条件ごとに変わる目安の値です。入稿先の印刷会社が指定する条件がある場合は、そちらに合わせてください。
色を確かめる色見本帳と本
画面で見える色と、紙に刷った色は同じではありません。印刷物の色を決めるときは、色見本帳で実物を見て確かめると確実です。
出典・参考資料
- 色名資料コトバンク「色名がわかる辞典」(講談社)、「デジタル大辞泉」(小学館)、「精選版 日本国語大辞典」(小学館)、「日本大百科全書(ニッポニカ)」(小学館)、「世界大百科事典」(平凡社)、「百科事典マイペディア」(平凡社)、「ブリタニカ国際大百科事典」、「普及版 字通」(平凡社)、ウィキペディア日本語版「墨」
- JIS・標準色資料JIS Z 8102:2001「物体色の色名」
- ICC・印刷条件PSO Coated v3(FOGRA51)、PSO Uncoated v3(FOGRA52)(European Color Initiative)
