スジ入れ

すじいれ creasing

紙を折る位置に、あらかじめ折り目の筋を付けておく加工のこと。きれいに折れるようになり、折ったときに表面が割れるのを防げます。

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現場ではこう使う

「これは厚いし、折るのが大変なので、スジを入れたほうがいいですね」——紙が決まったあとに出てくる言い方です。

もう少し詳しく

厚い紙をそのまま折ると、折り山の表面がひび割れたようになることがあります。表面に塗工のある紙で起きやすく、印刷した面が白く裂けて見えるので、仕上がりの印象を大きく損ないます。

これを避けるために、折る前に折り位置へ筋を付けておきます。それがスジ入れです。筋があると紙がその線で素直に曲がるので、折りがまっすぐ決まり、割れも出にくくなります。

二つ折りの案内物、冊子の表紙やカバー、厚手のカード、組み立てる箱。折る動作が入るものなら、どれも対象になる下ごしらえの工程です。

厚い紙で二つ折りの印刷物を頼むと、印刷会社から確認が入ることがあります。 それは加工を増やして売りたいのではなく、そのまま折ると割れるからです。

折らずに、スジだけ入れて納品することがある

ここは、あまり知られていない使い方です。

スジを入れて、折らずに平らなまま納めることがあります。 使う人が、そのつど折る。

なぜかというと、折ってしまうと嵩が増えるからです。

たとえばスタンプカード。二つ折りのものを1,000枚納品するとします。折った状態だと厚みが倍になり、箱も大きくなる。受け取った側は、置き場所に困ります。

スジさえ入っていれば、そのつどきれいに折れます。だから平らなまま納めて、使うときに折ってもらう。 保管の場所を取らず、折りの加工賃もかかりません。

印刷後に折り加工まで頼むか、スジだけ入れて自分で折るか。 枚数が多く、少しずつ使っていくものなら、後者を考える価値があります。

どのくらいの厚さから必要か

「何kgから」という線引きはありません。 中くらいの厚さの紙にもスジは入れます。

そのうえで、目安になる感覚はあります。四六判の連量で135kgくらいからは、入れておきたい。350kgくらいの厚いものになると、スジ入れは必須です。110kgくらいでも入れることはあります。

連量は紙の厚さの目安になる数字で、同じ銘柄・同じ原紙寸法なら、大きいほど厚い紙です。原紙寸法が変われば同じ数字でも厚さが変わるので、「四六判で135kg」のように判とセットで見てください。

数字はあくまで目安です。 紙の種類や折り方でも変わるので、迷ったら聞いてください。

厚さ以外にも見るところがある

スジを入れるかどうかは、紙の厚さだけで決めるわけではありません。

いちばん大きいのは、折ったときに印刷面が割れるかどうかです。コート紙やマットコート紙のように表面が塗工された紙は、割れが目立ちやすくなります。上質紙のような塗工のない紙は比較的折りやすいものの、厚くなればやはりスジが必要になります。

紙の目も関係します。紙には繊維の向き(目)があり、目に沿って折れば同じ厚さでもきれいに折れますが、目に逆らって折ると薄い紙でも割れたり折り目がきれいに出なかったりします。

折る位置にベタや濃い色があるかどうかも見ます。白場を折るなら多少の割れは目立ちませんが、濃色のベタの上を折ると、わずかな割れでも目立ちます。二つ折りのように1回だけ折る場合と、巻き三つ折りや観音折りのように複数回折る場合でも、紙にかかる負担が変わります。

つまり、紙厚・紙質・紙目・折る位置の絵柄・折る回数を合わせて見て、最終的には「機械で折れるか」ではなく「きれいに折れるか」で判断します。

薄い紙にスジを入れるとどうなるか

入れないほうがよいことがあります。

薄い紙にスジを入れると、そこから切れてしまうことがあります。切れなかったとしても、もともと素直に折れる紙なので、スジを入れる効果が薄い。

そのぶん、紙の目を揃えて折るほうが効きます。 紙には繊維の向き(目)があり、目に沿って折ると素直に、目に逆らって折るとごわつきます。薄い紙では、この目のとり方が仕上がりを決めます。

現場では、薄い紙は目を揃えて折る、厚い紙はスジを入れる、と使い分けています。

関連語

折り/背割れ/紙の目/連量/抜き型/押し罫

公開 2026年9月7日 更新 2026年9月8日 この辞典について
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