印刷用の版ができた時点で、その版に間違いがないかを確かめる工程のこと。紙を刷る前に、汚れや文字の抜け、直し忘れを見つけて止めます。
もう少し詳しく
校正が終わってデータが確定しても、そのまま印刷機にかかるわけではありません。データから版を作る段階でも、汚れが入ったり、文字や画像が抜けたり、赤字の直しが反映されていなかったりします。
版ができあがったところで、いったん止めて確かめる。これが検版です。
紙を刷ってから間違いに気づくと、刷り直しになります。 刷る前に止めるための工程だと考えてください。
意味が広がった
デジタル化が進むにつれて、確かめる相手が版だけではなくなりました。
いまは、次のような場面でも「検版」「デジタル検版」と呼ばれます。
- デザイン・組版のとき。校正の赤字や原稿の修正が、指示どおり直っているかを比べる
- 入稿のとき。渡したデータが、印刷会社側で意図どおりに開けているかを確かめる
- 刷り上がったあと。刷り上がりとプルーフ(校正用の出力)や刷版データを、スキャンして突き合わせる
別々の意味が4つあるのではなく、対象が広がった結果です。共通しているのは、2つのものを突き合わせて違いを見つけるという中身です。
刷り出しの確認は検版とは言わない
紛らわしいところなので、分けて書きます。
印刷機に紙が乗って、最初の1枚が出てくる。それを見て、文字が抜けていないか、版がずれていないかを確かめる。この作業は「検版」とは言いません。 刷り出しの確認であり、色を見る場面では立ち会いとも呼ばれます。
検版は、目で見て気づくことではなく、2つを突き合わせて違いを出す作業です。
刷り上がったものをスキャンして、刷版データと機械で照合するなら、それは「印刷工程の検版」と呼ばれます。同じ紙を見ていても、目で見るのか、突き合わせるのかで呼び方が変わります。
具体的に見るところを挙げると、検版では、面付けが正しいか、ページ順が合っているか、表裏が合っているか、色版が正しいか、版の向きが合っているか、欠けや不要なものが入っていないか、トンボや見当が正常かを確かめます。一方の刷り出しの確認では、色、見当、紙の汚れ、ピンホール、ゴースト、版の傷、文字欠けなどを見ます。フィルム製版の時代は、製版フィルムをライトテーブルで重ねたり版下と照合したりする作業まで検版と呼んでいましたが、CTPになってからは、面付けデータや出力された刷版を確認する意味合いが強くなっています。
この線引きは、会社によって多少幅があります。検版という言葉を広く使い、刷り出しの確認まで含めて呼ぶ会社もあります。
校正とは別の工程
ここは誤解されやすいところです。
校正は、試し刷りを見て文字や色を確かめます。検版は、刷るための版やデータそのものを確かめます。見ているものが違います。用語集のなかには、この2つを混同して説明しているものもあります。
関連語
刷版/CTP/製版/校了/下版/色校正
参考
JFPI 印刷用語集(日本印刷産業連合会)
