印刷機が紙を送るために、爪でつかむ紙の端のこと。ここにはインキを乗せられないので、あらかじめ印刷しない余白を空けておきます。
もう少し詳しく
枚葉印刷機は、1枚ずつ紙を送って刷る印刷機です。積んだ紙を1枚ずつ爪でくわえて機内に引き込み、そのまま送りながら刷ります。
爪がつかんでいる帯状の部分には、インキを乗せられません。だから紙の端には印刷しない余白が必要です。この余白をくわえしろ(くわえ代)、反対側の端をくわえじりと呼びます。
くわえしろは最後の仕上げ断裁で切り落とすので、できあがった印刷物には残りません。
逆にいえば、仕上がりサイズちょうどの紙では刷れないということです。 使える紙の大きさや、1枚から何面取れるかに直結します。
何mmか
機械によって変わります。規格で決まった値ではありません。
JISにくわえ代の規定はありません。業界団体の用語集も、寸法は機械の大きさと爪の形で変わるとしています。
メーカーが公表している値を並べると、こうなります。
| メーカー・機械 | くわえ代 |
| ハイデルベルグ 菊全・B1クラス(70×100) | 10〜12mm。紙厚0.8mmを超えると11〜12mm |
| ハイデルベルグ B2クラス(50×70) | 8〜10mm |
| ケーニッヒ&バウア Rapida | 判型を問わず10mm |
| RMGT 970(菊全判) | 10±1mm |
同じメーカーでも、判型で変わることがあります。 ハイデルベルグは菊全クラスで10〜12mm、B2クラスで8〜10mm。一方、判型を問わず一律10mmとしているメーカーもあります。 設計の考え方が違うので、「大きい紙ほど広い」と一般化はできません。
紙が厚いときに広くなる機械があります。 これを書いている用語集はほとんどありません。
用語集には「10mm前後」と書かれていることが多いのですが、これは機械の違いを1つの数字に丸めたものです。 菊全の機械で考えれば、10mmはむしろ小さいほうにあたります。
公表していないメーカーもあります。自分の仕事で何mm見ておけばよいかは、刷る機械が決まってから確かめるのが確実です。
2つの使われ方
「くわえ」という言葉は、文脈で指すものが変わります。
- 爪がつかむ紙の端(くわえ端)
- 印刷できない余白(くわえしろ)
業界団体の用語集は、この2つへの参照語として「くわえ」を立てています。装置そのものは「くわえ爪」と呼び分けます。
関連語
枚葉印刷/面付け/断裁/塗り足し/取り都合
参考
JFPI 印刷用語集(日本印刷産業連合会)/ハイデルベルグ(公式技術資料)
