ダブルトーンとは、1枚のモノクロ原稿から網点の角度が異なる濃淡2枚の版を作り、それぞれを異なるインキで刷り重ねる製版・印刷技法のこと。
もう少し詳しく
ダブルトーンでは、まず1枚のモノクロ階調原稿から、スクリーン角度を変えた2種類の網点フィルムを作成する。片方は硬い調子(コントラストの強い版)、もう片方は軟らかい調子(コントラストの弱い版)に仕上げ、これらを異なる濃度・色のインキで重ねて印刷する。こうすることで、濃度の再現できる幅(カラーレンジ)が広がり、単色刷りよりも深みのある豊かな階調表現が可能になる。欧米では同じ技法を指してデュオトーン(duotone)と呼ぶのが一般的で、英語表記としては duotone や duograph が対応語として用いられる。
この技法が生まれた背景には、モノクロ写真を墨(黒)1色だけで印刷すると、コクのない軽くフラットな仕上がりになりやすいという弱点があった。ダブルトーンは、同じ原稿から濃淡2版を作って刷り重ねることで、この弱点を補い、写真やイラストをより魅力的に見せるための工夫として使われてきた技法である。なお、色数に制約のある印刷条件のもとで、写真表現を豊かに見せる手段として使われる点は、実務で今も評価されている。
混同されやすいのが「2色印刷(2色分解)」である。ダブルトーンはあくまで1枚のモノクロ原稿から作った濃淡違いの版を重ねる技法であるのに対し、2色分解は原稿の色情報そのものを2色に分けて再現する別の手法であり、両者は仕組みが異なるため区別して扱われる。
関連語
参考
JFPI 印刷用語集(日本印刷産業連合会)/JIS Z 8125:2004 印刷用語-デジタル印刷
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