ページ物の印刷で、刷版の数、または刷り上がった用紙(刷り本)の数を数える単位のこと。冊子の見積りは、何台になるかで金額が決まります。
現場ではこう使う
「部数が少ないので、印刷料金は台数計算になります」——見積りのときに言われることがあります。
これは「通し数が最低基準に届かなかった」という意味です。下の「台数計算とは何か」で説明します。

もう少し詳しく
台は2つのものを数えている
「台」が数えているのは、次のどちらかです。
- 印刷機に取り付ける刷版の数
- 印刷機から刷り出される用紙(刷り本)の数
②のほうは、製本工程で数える台数とも一致します。
例で見ると分かりやすくなります。A4判32ページの小冊子を、A1判の刷版で8ページずつ面付けして刷るとします。このとき刷版は4版できます。刷り本は2枚です。
| ① 刷版の数で数えると | 4台 |
| ② 刷り本の数で数えると | 2台 |
同じ仕事なのに、数え方で台数が変わります。 どちらが正しいということではなく、何を数えているかが違います。
話が食い違ったら、刷版を数えているのか、刷り本を数えているのかを確かめてください。 これが実務での注意点です。
折丁とは違う
折丁と台は同じものではありません。
折丁は、大きな紙に刷って折ったもの、そのものを指します。物です。台は、それを数えるときの単位です。
日本産業規格も、取引の場面での台を、折丁の片面ごとと定めています。これは①の刷版を数える考え方にあたります。一方、製本の側では折丁1つを1台と数えます。規格自身が、印刷と製本で台の数え方が変わることを注記しています。
国語辞典のなかには「台=折と同義」と説明しているものがあります。それは②と製本側の数え方だけを拾ったものです。 ①が落ちています。
台数計算とは何か
台数計算は、少部数のときに使う特別な計算方法です。
ふつう、印刷の料金は「通し単価×通し数」で出します。この通し単価には、刷版と用紙を印刷機にセットする手間の分も含まれています。
セットの手間は、100枚刷っても2,000枚刷っても、ほぼ同じだけかかります。 だから通し数が少ないと、1枚あたりの負担が重くなる。
そこで、一定の通し数に達しない場合は、通し単価を使いません。 代わりに、取り付けた刷版1台(1版)ごとに決められた最低基準料金を当てはめて計算します。これが台数計算です。
「部数が少ないので台数計算になります」と言われたら、通し数が最低基準に届かなかったということです。
最低基準となる通し数は、印刷方式と印刷機のサイズによって違います。 2,000通し、2,500通しなど、会社によっても変わります。業界で決まった一つの数字はありません。
これが分かると、少部数ほど1枚あたりが高くなる理由が見えてきます。同じ理屈はヤレ(損紙)にも働いています。
部数を少し増やしても金額があまり変わらないことがあるのは、まだ最低基準の内側にいるからです。 見積りを取るときに、部数を2〜3通り出してもらうと、境目が見えます。
なお、正しくは「台数計算」です。現場では「台計算」とも言います。
由来・雑学
活版印刷の時代、活字を組んだ版を木枠の台に載せて、印刷機に取り付けていました。その名残でこう呼ばれていると説明されています。
いまの刷版はアルミの板なので、刷版の数を数えるときの単位は「版」と言います。それでも「台」という言葉のほうが残りました。

関連語
折丁/面付け/台割/通し/刷版/ヤレ/中綴じ/無線綴じ
参考
経済調査会「積算資料印刷料金」/JIS Z 8124:2000(印刷用語-取引関連)

