本刷りの前に、指定した色どおりに仕上がるかを試し刷りして確認する作業、またはその印刷見本のこと。略して「色校」と呼びます。
現場ではこう使う
色校正を依頼する際、「どこまで色が重要ですか?」と尋ねられることがあります。目安として、一般的な会社案内なら簡易校正を、ブランドカラーや化粧品・美術作品の再現なら本機校正を、というように使い分けます。
もう少し詳しく
色校正は、本刷りに入る前に「指定した色で仕上がるか」を確認する工程です。単に色を見るだけでなく、どの方式で確認するかによって、精度もコストも大きく変わります。発注者にとって大事なのは、何をどこまで確認したいかを先に決めておくことです。方式によって、確認できることとできないことがはっきり分かれるからです。
精度とコストはどう決まるか
色校正には精度もコストも異なる複数の方式があり、精度が高いほど費用と時間がかかります。
| 方式 | 使うもの | 特徴 |
|---|---|---|
| 簡易校正(デジタルプルーフ、DDCP等) | 校正専用のプリンタ | 安価・短納期。本番の機械・用紙・インキは使わない |
| 本紙校正(平台校正) | 本番に近い用紙 | 簡易校正より本番に近いが、本機校正ほどではない |
| 本機校正 | 本番と同じ印刷機・用紙・インキ | もっとも本番に近いが、製版・刷版の工程が加わりコスト・時間がかかる |
どこまで細かく分けるかは資料によって幅があり、2段階(本機・簡易)で説明するものもあれば、4段階に分けるものもあります。共通しているのは、本番の条件に近づけるほど精度が上がり、費用と時間も増えるという関係です。だからこそ、「どこまで色が重要か」を先に決めておく必要があります。会社案内程度なら簡易校正で足りますが、ブランドカラーや化粧品・美術作品の再現が絡む案件では、本機校正まで踏み込むことが多くなります。
簡易校正とDDCPは同じものか
簡易校正とDDCPは、重なる部分はあるものの、厳密には同じ言葉ではありません。 DDCPは、色校正の分野で使われる略称のひとつで、フィルムを使わず、デジタルのデータからそのまま専用機に出力してプルーフを作る仕組みを指します。
一方、簡易校正という言葉は、フィルムを専用の印画紙に焼き付けて作るケミカルプルーフのような、フィルムを経由する方式まで含めて呼ばれることがあります。刷版を直接出力する仕組みが広まってからは、フィルムを前提にした方式は姿を消し、いまはDDCPやインクジェット出力が簡易校正の主流です。そのため実務上はほぼ同じ意味で使われるようになっていますが、資料によって指す範囲に幅があることは知っておいて損はありません。
特色や表面加工の仕上がりは簡易校正でわかるか
簡易校正だけでは、特色の色合いやニス引き・PP加工といった仕上げの質感まで見きわめるのは難しいところがあります。 金や蛍光色などの特色は、CMYKだけでは同じ色を出しきれず、近似した疑似色に置き換わって表示されます。実際の特色そのものの色味を確認したいなら、本機校正など、より本番に近い方式を選ぶ必要があります。
同じ理由で、ニス引きやPP加工のような表面の質感も、簡易校正の段階では判断材料になりません。仕上がりの見た目そのものを確認したい案件では、この点を先に伝えておくと、方式選びで行き違いが起きにくくなります。
使う用紙・印刷機が違うと何が起きるか
色校正で使う用紙や印刷機が本番と違うと、本刷りが色校正どおりの仕上がりにならないことがあります。 用紙の種類・厚さ・光沢によって色の見え方は変わるため、標準的な用紙と違う紙を本番で使うなら、その用紙で色校正すること自体が必要です。
印刷機についても同じことが言えます。色校正専用の機械と本刷りの機械が別だと、インキの乗り方に差が出ることがあり、色校正の色に本刷りを無理に近づけようとすると、逆に色全体の釣り合いが乱れることがあります。同じ機械で校正から本刷りまで行う「本機色校正」なら、こうしたズレを避けやすくなります。
※画面で見る色と、実際の印刷物の色は異なります。
由来・雑学
色校正という言葉がいつ生まれたかははっきりしていませんが、関連する道具にまつわる小さな逸話があります。インキの乗り具合や版数を確認するために刷り込む丸い図形は「色玉」と呼ばれ、色校正の際にデザイナーが濃度を確かめる目印になっています。丸い図形が使われたことが名前の由来とされています。
関連語
参考
JIS Z 8125:2004(印刷用語-デジタル印刷)番号08.21「色校正,色校」・番号08.21.01「簡易校正」/日本印刷産業連合会 印刷用語集
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