ピンホールとは、印刷物やフィルム、用紙などに生じる、針で突いたような極めて小さな穴や、インキが乗らずに白く抜けた点のことである。
もう少し詳しく
ピンホールという言葉は、印刷の複数の工程で使われる。ひとつは紙そのものに関するもので、抄紙(紙をすく)工程において、すき網から細かい繊維が流出したり、クレー(塗工に使う粒子)が乾燥後に脱落したりすることで、用紙にごく小さな穴が生じる現象を指す。もうひとつは印刷段階に関するもので、紙やブランケット、ローラーなどに小さな異物が付着したまま印刷すると、その部分だけインキが乗らず、針の先で突いたような白い点として抜けてしまう現象を指す。特にベタ刷り(面全体を均一に塗りつぶす印刷)では、こうしたピンホールが目立ちやすい。
似た印刷不良に「ヒッキー」と呼ばれる現象があるが、ヒッキーがインキ中の異物によってできる比較的大きめの円状の欠陥であるのに対し、ピンホールは針で突いた程度のごく小さな白抜けである点で区別される。また、フィルムを用いる製版の工程では、露光や現像の際にちりなどが乳剤面に付着することで生じる小さな透明点もピンホールと呼ばれ、グラビア印刷ではフィルム中の異物や圧胴に付着した異物によって生じる点状・ドーナツ状の抜けを指すなど、工程によって具体的な意味合いに幅がある。
現在のCTP(コンピューター・トゥ・プレート)による刷版制作でも、版にごみが付着するなどしてピンホールが生じることがあり、こうした不具合は色校正の段階で発見されることが多い。色面の中に白い点や別の色の点として、あるいは白地の中に色のついた点として現れるため、校正では該当箇所に赤字で印をつけ、修正を指示するのが一般的な対応である。
関連語
参考
JFPI 印刷用語集(日本印刷産業連合会)/JIS K 6200:2019 ゴム-用語/東京都製本工業組合 製本用語集
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