合紙(あいがみ)とは、二枚以上の紙を貼り合わせて厚みや強度を持たせる加工、またはその加工でできた紙のことをいう。印刷・製本の現場では、刷り上がった紙の間に挟んで裏移りや汚れを防ぐための紙を指すこともある。
もう少し詳しく
「合紙」という言葉には、業界内で使われ方が大きく二つある。ひとつは、印刷済みのアート紙などの薄紙と、チップボールのような厚手の板紙とを澱粉糊や水溶性の接着剤で貼り合わせ、必要な厚みや強度を作り出す加工そのものを指す用法である。厚い板紙は一度に漉き上げることが難しいため、複数枚を貼り合わせて仕上げるという考え方に基づいており、絵本の表紙、ディスプレイ、大型のカートン、パッケージの台紙などに広く用いられている。表面に見栄えのよい紙を、内部にコストを抑えた紙を使うことで、美観と経済性を両立させる工夫がされることもある。
もうひとつの用法は、印刷や製本の工程で、刷り上がったばかりの紙の間に一枚ずつ、あるいは一定数量ごとに挟み込む紙を指すものである。印刷直後のインキが完全に乾く前は、重ねた紙どうしが擦れてインキが裏面に移ってしまう「裏移り」が起きやすいため、これを防ぐ目的で紙を挟む。あわせて、数量を数えやすくする目印としての役割も果たす。この用法では「間紙(かんし)」とも呼ばれ、印刷用語としてもこの意味で用いられている。なお、板状の金属製品どうしの間に挟んでさびを防ぐための紙を指す「合紙(あいし)」という工業用語もあり、こちらは別分野の規格で定義される言葉だが、印刷・製本の合紙とは対象も目的も異なる言葉なので混同しないようにしたい。
このように、貼り合わせによる「厚紙づくりの加工」と、工程間に挟む「裏移り防止・数量管理のための紙」という、成り立ちの異なる二つの意味が同じ「合紙」という言葉で呼ばれている点が、この用語のわかりにくさでもある。どちらの意味で使われているかは、文脈(パッケージ・板紙の加工の話か、印刷物の取り扱いの話か)から判断する必要がある。
関連語
参考
JFPI 印刷用語集(日本印刷産業連合会)/JIS Z 0303:2009 さび止め包装方法通則/東京都製本工業組合 製本用語集
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