ドブとは、印刷用紙に複数の面を面付けして印刷する際に、各仕上がり面の間に生じる余白部分のことである。断裁時の紙ズレに備える予備領域であり、最終的には断ち落とされて印刷物には残らない。
もう少し詳しく
1枚の印刷用紙に同じものや異なるものを複数面配置する「面付け」を行うと、各面の仕上がり線(内トンボ)同士の間に隙間が生じる。この隙間がドブであり、多面付けによって生じる、印刷の有効面積以外の余白部分を指す。断裁は機械で行われるため、わずかな紙送りのズレが起こり得る。ドブはこのズレを吸収し、断裁位置が多少前後しても仕上がり面に断裁の影響が及ばないようにするための安全マージンとして機能する。
ドブの幅は一般に3〜10mm程度とされることが多いが、面付けの都合上、20〜30mmといった大きな幅が生じる場合もある。複数の情報源で幅の目安は3〜5mm前後とされており、実務ではおおむね5mm以上を確保する運用も行われている。断裁時の予備領域としての機能から、「塗り足し」と同じ意味で説明されることもあるが、塗り足しは仕上がり線の外側に絵柄をはみ出させて配置すること(および、そのはみ出し部分)を指すのに対し、ドブは面付けによって複数面の間に生じる余白そのものを指す点で、厳密には視点の異なる語である。両者は断裁のズレに備えるという目的を共有するため、現場では混同されたり同義的に扱われたりすることも少なくない。
ドブは印刷物の仕上がりには現れず、断裁の際に切り落とされて消える部分である。しかし面付け設計やデータ作成の段階でドブの幅を正しく確保しておかないと、断裁のズレによって隣の面の絵柄が仕上がり面にわずかに写り込んでしまうなどの不具合につながる。目には見えない余白でありながら、印刷物を狙いどおりの仕上がりに導くための重要な設計要素である。
面と面の間に生じる、有効面積以外の部分を指す。断裁して仕上がりサイズに切り分ける際に切り落とされる部分にあたり、面付けの設計では各面の間にどぶをどれだけとるかが重要な検討事項になる。
関連語
参考
JIS Z 8125:2004 印刷用語-デジタル印刷/東京都製本工業組合 製本用語集
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