パーソナライズ印刷とは、受け取る人や使用する人の情報・希望に合わせて、印刷物の内容を個別に調整することである。名前を入れるだけでなく、写真、紹介商品、メッセージ、登場人物などを変え、その人に合った印刷物をつくる。
もう少し詳しく
「パーソナライズ」は、個人に合わせることを意味する。特定の印刷機や一つの印刷方式を指す言葉ではなく、印刷物をどのように個別化するかという考え方を表している。
どのような内容を個別化するのか
身近な例は、名前入りの招待状、写真を使ったカレンダー、個別のメッセージを添えた記念品などである。販促物では、購入履歴や関心に応じて紹介商品を変更するなど、受取人に合わせた情報提供にも使われる。リコーも、顧客情報などに応じて内容を変える印刷物を活用例として紹介している。
個別化の方法には、利用者自身が名前や写真を入力して選ぶものと、提供側が保有する情報や設定した条件に基づいて内容を変えるものがある。いずれも、誰にでも同じものを渡すのではなく、相手との関係や使用目的に応じて内容を調整する点が共通している。
バリアブル印刷との関係
パーソナライズ印刷を効率よく行うために使われる技術の一つが、バリアブル印刷である。共通のレイアウトに異なるデータを差し込み、一枚ごと、一冊ごとに内容を変えることで、多数の個別化された印刷物を制作できる。
両者は同じ意味で使われることもあるが、説明上は「パーソナライズは人に合わせる目的」「バリアブルは内容を変える技術」と分けるとわかりやすい。
例えば、製品ラベルに通し番号を印刷する作業は、内容が変化するためバリアブル印刷に当たる。しかし、その番号が特定の人の希望や情報を反映していなければ、必ずしもパーソナライズとはいえない。
また、個別の希望に合わせて一件ずつ手作業でデザインした印刷物も、目的としてはパーソナライズされている。個別化のすべてが自動処理で行われるわけではない。
パーソナライズ絵本への応用
パーソナライズ絵本は、この考え方を絵本に応用したものである。読者の名前や見た目、家族などを作品に反映し、自分や身近な人が物語に登場する一冊をつくる。
当サイトを運営する飯塚印刷の「MY STELLA(マイステラ)」でも、作品に応じて名前や見た目、家族構成などを選択できる。個別化の対象が宛名のような付属情報だけでなく、読者が楽しむ本文や絵そのものに及んでいる点が特徴である。
制作では変更範囲を先に決める
パーソナライズ印刷では、何をどこまで変更できるかを明確にする必要がある。名前の文字数、使用できる文字、写真の点数、選べるデザインなどを決めておかないと、注文後にレイアウトへ収まらない問題が起こりやすい。
文字が長い場合に改行するのか、文字サイズを小さくするのか、入力を制限するのかといったルールも必要になる。写真を使う場合は、解像度だけでなく、切り抜かれる範囲や顔の位置も確認したい。
また、個別化された内容と届け先を正しく結び付けることが欠かせない。完成品の見た目が美しくても、別の人の内容が届けば目的を果たせないためである。
個別化の価値をどう考えるか
パーソナライズ印刷の価値は、名前が入っていることだけではない。受取人に必要な情報を伝えること、記念として残したくなる内容にすること、選ぶ過程を楽しめることなど、用途によって異なる。
個別化すれば必ず反応や満足度が高まるわけではない。相手にとって意味のある変更になっているか、読みやすさや使いやすさを損なっていないかを考えることが重要である。
関連語
バリアブル印刷/パーソナライズ絵本/デジタル印刷/オンデマンド印刷/自動組版
参考
リコー
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